河川中流域
瀬と淵とトロ場
きれいな川にしか棲めない生物川の水の中で、わき水が集まってできた上流はいちばんきれいな水です。上流にすむ水生生物は、トビケラの幼虫、カワゲラやカゲロウの幼虫などがいます。このトビケラやカゲロウの幼虫をえさにしている、ムカシトンボのヤゴなども、水のきれいな上流にしかすめない水生生物です。
■水が少し汚れてくると生物の種類は増える川の中流から下流になると、水の流れがゆるやかなになるため、水底にどろが増え、水のよごれもだんだん増してきます。水のよごれは泥などの栄養分が豊富であることから、汚れている水の方が水生生物の種類が多く見られます。水草や藻なども増え、どろの中に暮らす貝やヤゴの仲間、さまざまな水生生物がすんでいます。たとえば、シオカラトンボのヤゴ、ヒラタドロムシ、ユスリカの幼虫、ゲンゴロウ、ミズムシの幼虫、モノアラガイ、エビ、アメリカザリガニなどがいます。
■汚れのひどい川には生物は棲めない汚れがひどい川になると、たいていの生物はすめなくなり、イトミミズや赤いユスリカの幼虫、ハナアブの幼虫、サカマキガイぐらいしか見つけることができません。
砂利の河川敷
川でとれた虫にきちんと名前をつけるのには、虫を博物館の研究室に持ち帰ってしらべる必要があります。 顕微鏡でこまかい形を観察し、ときには小さな虫を解剖して体の中を調べます。
川の虫を研究するには、川へでかけて虫をつかまえる作業と、それを研究室にもち帰ってしらべる作業とがあります。
森林はおいしい水をはぐくみ、また緑のダムとして、水量の調節をしています。 森林は、成長するにつれ、落葉や枯れ枝をつぎつぎと落とします。 それを土のなかの小動物や菌類が分解し、ふかふかの土をつくります。 そうした森林の土壌でこされた雨水はおいしい水の条件をそなえた水になります。 また、森林はいっときに降った雨水をたくわえ、時間をかけてゆっくり流しだすことで、洪水を防ぐ役割もはたしているのです。
川の虫の幼虫は石を動かして網にとります。 成虫は川の近くの草木を網ですくってつかまえます。 夜あかりに集めてつかまえることもできます。
川の虫は大きいものでも4センチメートルくらいなので、目でみてこまかい形をみわけるのはたいへんです。 しかし、生きているときなら動きかたにそれぞれ特徴があり、おおまかに種類がわかります。
砂と泥とヘドロと
ブナ林の土壌は、くさった植物の根や土壌動物のつくった大小の穴が全体の体積の5〜8割を占めるほど、穴ぼこだらけです。 その穴が水をたくわえ、水の流出を調整しているのです。
土壌生き物の代表はミミズですが、それ以外にもヤスデやワラジムシ、肉眼ではほとんどみえないササラダニ、トビムシなどがいます。 家庭の排水が流れ込むどぶ川でも、そこにすむ生き物たちにとっては快適なすみかです。 じっとしていても、おいしい“ごちそう”が流れてくるからです。
湖や池ではふつう、植物プランクトンを動物プランクトンが食べ、それを魚が食べるという食物連鎖が見られます。 これに対しどぶ川では、下水から流れ込む有機物(よごれ)が食物連鎖の始まりです。 ごはんつぶなどの固形物はアメリカザリガニや巻貝などに直接食べられ、その食べのこしや水にとけた有機物は細菌のエサになります。 細菌は、原生動物やワムシ、ユスリカの幼虫などのエサになります。
■どぶ川
どぶ川は下水などから有機物の流入が多いことや、降雨時に増水が頻発するなど、ふつうの川にはない特徴を持っています。
どぶ川は一見汚いし、くさいし、生き物もいないところだと思われがちです。 しかし、どぶ川にもたくさんの生き物がすんでいます。 そして、この生き物たちが台所などから流れこむ“よごれ”をとりのぞいているのです。
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